橘玲の熱狂的なファン。

あまりに心酔して、自分でも本当に
海外ファンド投資を始めたサラリーマンです。
都内在住、趣味は読書。乱読派。
今では海外投資も一つの趣味と言えるでしょうか……。

橘 玲(たちばな・あきら)

橘玲

1959年、静岡県生まれ。
日本の経済小説作家。本名は上田高史。早稲田大学第一文学部卒業。元・宝島社「別冊宝島」「宝島30」の編集長。日本経済新聞で連載を持っていた。
「海外投資を楽しむ会」創設メンバーの一人。

橘玲公式サイト: http://www.tachibana-akira.com/

1.タックスヘイブンを利用しない手はない

タックスヘイブンはアメリカの生命線

それまでも一般的な知識はありましたが、私が最初にタックスヘイブンに本格的に興味を持ったのは、
橘玲氏の『黄金の扉を開ける 賢者の海外投資術』を読んでからでした。
同著にはタックスヘイブンについて以下のように書かれています。



橘玲 【P196】
タックスヘイブンはマネーのメディア(導管)である。
いったんこのブラックホールに吸収されたマネーは、匿名性の衣をまとって、アメリカ・ヨーロッパ・日本などの株式や債券に投資されていく。

原油価格の急激な上昇によって、オイルマネーが世界の金融市場に溢れている。だがアラブの投資家は、直接、米国内の金融機関に口座を開くことを好まない。何かの理由でテロ資金と疑われれば、即座に口座を凍結されてしまうからだ。
しかしその一方で、世界最大の資本市場であるアメリカに投資できなければ、資産運用の選択肢は大きく制約されることになる。 そこで彼らは、イギリスやスイスの金融機関に資金を預け、オフショア経由でアメリカ市場にアクセスする。こうすればアメリカ側ではそれが誰の資金かわからず、投資家は経済制裁などの不慮のリスクから資産を守ることができる。

タックスヘイブンを利用した迂回投資はアメリカのマネーロンダリング規制の大きな抜け穴になっているが、だからといって、それを封じるのは不可能である。
世界最大の債務国が海外からのマネーの流れを断ち切れば、経済は大混乱に陥るに違いない。




橘玲
なお、タックスヘイブンがマネーロンダリングの温床になっていることも事実です。
マネーロンダリング(資金洗浄)とは、テロ資金や麻薬・武器密売・人身売買などの犯罪で得た収益を、海外の複数の金融機関を使って隠匿する行為のこと。

橘玲氏の『マネーロンダリング入門』は、カシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件などの具体的な事象をもとに、初心者にもマネーロンダリングの現場が体験できるような内容になっています。

巨大化する租税回避ビジネス

タックスヘイブンにはさまざまな規制強化を求める声もありますが、橘氏の著書を読むとタックスヘイブンが今や必要悪として欠かせないものであることがわかります。



橘玲 『黄金の扉を開ける 賢者の海外投資術』

【P197】
タックスヘイブンはいまや、顧客に対してさまざまな節税ツールを提供するまでになった。
アメリカやイギリスでは、一定の条件を満たした信託財産は、受益者が利益を実現するまで課税の繰り延べが認められている。

このため、富裕層を中心に信託を利用した相続税回避が盛んだが、タックスヘイブンは大手会計事務所のアドバイスを受けながら、合法的でかつ顧客に有利な信託(オフショアトラスト)の開発を競っている。
(日本の税法では、信託は受益者の財産とみなされるため、こうした節税方法は使えない)


【P198】
多国籍企業の巨大化やマネーのグローバル化にともなって、オフショア金融センターを利用した租税回避ビジネスが一大産業になった。
大手会計事務所が税法や租税条約のほころびを徹底的に探し出し、タックスヘイブンの法制度を動かし、顧客に節税スキームを売り込む。 顧客は税金を節約でき、タックスヘイブンには取引手数料が落ち、会計事務所は成功報酬を受け取る。 損をするのは税金を取り損なった国の国民だが、誰もそんなことは気にしない。

このようにしてタックスヘイブンは、いつのまにか最先端の会計技術の実験場になった。

こうした現実を、ある人は不条理と感じるかもしれない。だが現実は、もはや押しとどめようのないところまで進んでしまった。 マネーは本質的にグローバルな存在だが、国家はそれを恣意的に定めた国境に囲い込んで管理しようとする。

タックスヘイブンは、既得権を守ろうとする国家にとっては秩序の破壊者以外のなにものでもないが、視点を移せば、それはマネーが本来の姿に戻ろうとする不可逆的な運動の一部なのである。